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kazu-tの色々と思ったこと

1971年生まれの男です。色々と思ったことを記します。

ASKA容疑者のドライブレコーダー映像がテレビへ流出した問題の、テレビ局側が言う「公益性」って何?

覚醒剤の容疑で逮捕されたASKA容疑者が、逮捕前に乗っていたタクシーの車内で、ドライブレコーダーにより撮影された映像がテレビ局へ流出し、その映像がテレビ番組で放送され問題化しています。

流出させたタクシー会社側は明確に謝罪している

流出させたタクシー会社側は間違った行為であったことを明確に認め謝罪しています。以下の記事に謝罪文の全文が掲載されています。

headlines.yahoo.co.jp

以下の囲みに謝罪文を抜粋して引用致します。

(前略)

また外部への映像提供にあたっては、刑事訴訟法の規定に基づく捜査機機関からの文書による照会に応じて提供する場合、ならびに事故やトラブルの状況及び原因を明らかにするために、その当事者、保険会社、捜査機関に提供する場合のみとしております。

現在、マスコミ各社にて放送されている映像は、当グループ加盟の1社よりマスコミへ提供されたものでございますが、これは上記のような映像提供の事案には当たりません。映像提供を行った社に対しては、グループとして厳罰をもって対応し、記録映像の管理徹底を図らせる所存であります。

(後略)

国交省も「一般常識やモラルを考えると良くない」として指導に動く

タクシー会社などを管轄する国土交通省も、今回のドライブレコーダー映像の流出という事態を重く見たようで、指導に動いています。以下に記事を示します。

headlines.yahoo.co.jp

短い記事なので、以下の囲みに記事の全文を引用致します。

覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された歌手のASKA=本名・宮崎重明=容疑者(58)がタクシーに乗っていた際の映像がテレビ局などに提供されていた問題を受け、国土交通省は1日、タクシーやバスの業界団体にドライブレコーダーの映像を適切に管理するよう通知した。

担当者は「法違反ではないが、一般常識やモラルを考えると良くない」と説明している。

通知は「ドライブレコーダーの映像は、運転者に対する安全指導や事故分析などのために活用されるべきだ」と指摘。乗客のプライバシーに配慮して適切な管理を徹底するよう、各会社への周知を求めた。

しかしテレビ局側は…

以上のように、映像を流出させたタクシー会社側は間違った行為であったと明確に謝罪し、またそれを管轄する国交省も今回のような流出は「良くない」として指導に動いているにも関わらず、以下の記事によると、その映像をテレビ番組で放送したテレビ局の一部は見解を示しており、今回の放送は公共性、公益性があり妥当であると言いたいようです。

headlines.yahoo.co.jp

以下の囲みに記事を抜粋して引用します。

(前略)

取材対応が難しいとした日本テレビを除き、フジテレビ・テレビ朝日・TBSに対し「プライバシーの侵害にあたるとの認識はあったか」「今後も今回の映像を放送することはあるのか」などの質問をFAXで送付。15時現在でTBSからの回答はありませんが、フジテレビからは「容疑者の逮捕直前の映像であり、公共性・公益性があると判断し放送いたしました。入手経緯など取材・制作の詳細についてはお答えしておりません」との回答が、テレビ朝日からは「覚せい剤事件で執行猶予中である著名な人物が再び同種の事件で逮捕されたため、逮捕直前の映像について公益性、公共性などの観点から総合的に判断し使用したものです」との回答がありました。

(後略)

テレビ局の言う「公共性、公益性」って何?

もちろん、最初に映像を流出させてしまったタクシー会社側がその行為を間違っていたとして深く悔いていようと、また国交省という「国の機関」がどんな動きをしていようと、テレビ局側には「報道の自由」がありますので、ASKA容疑者のプライバシーを侵害したとしても、それを上回る公共性、公益性があるのであれば、それは何事にも臆することなく報道するほうが好ましいのだろうと思います。

一方でテレビ局などの報道機関は影響力という観点からかなりの「力」を持っているのは事実と思いますので、大した公共性、公益性も無いのにむやみに誰かのプライバシーを侵害するような報道を行うことは慎まれるべきように私は考えます。

今回の映像の件ではどういう「公共性、公益性」があるのでしょうか?視聴者の、

・逮捕される前の容疑者はどんな様子だったか見てみたい
・逮捕直前という「臨場感」を味わいたい

というような「覗き見してみたい」的な興味関心以上の何か「公共性、公益性」があるのでしょうか?私には思い当たりません。

結局は「覗き見してみたい」的な興味関心も「報道の自由」の範囲なのかも

しかし考えてみると、政治家などの公人だけでなく、芸能人などであっても「有名」というだけで、視聴者(購読者)の「覗き見してみたい」的な興味関心を満たす為の目的の報道においてプライバシーが侵害されていることは、普通にあるようにも思えます。

例えば不倫報道などが典型ですが、まだ不倫の場合は「公序良俗に反している行為」と言えなくもないのでその辺りからの大義名分が立つのかも知れませんが、不倫ではなく独身者どうしの「恋愛」であっても、その事実が報じられたりしている訳です。

更には、例えば不倫で世間を騒がした人の場合など、その後の謹慎中にどこのお店に行っていたとか、そのようなことさえ「報道」されている有様です。

それが法的に(仮に裁判をしたら)違法性があるのかないのかは私には分かりませんが、そのようなものが世の中に普通に存在しそれを視聴者(購読者)が普通に楽しんでいるという世の中が長く続いていることを考えると、今回のような映像がテレビで放送されることに関して、テレビ局側が「公共性、公益性がある」と言ってしまえるのも、納得出来るような気もしました。

と言う訳で、やっぱり「タクシー会社が悪い」という話なのかも知れない

そんな訳で、テレビ局など報道機関側からすれば、それが視聴者(購読者)の「覗き見してみたい」的な興味関心を満たす目的の報道であっても、それが「公共性、公益性がある」と考えるのであれば、張り込みでも隠し撮りでも普通に行ってスクープを狙うのでしょうから、そういう意味では公共性、公益性という大義名分のもとでは「積極的に相手のプライバシーを侵害する者」であるとも言えるかも知れません。

しかし相手が有名人であっても「お客さん」としてタクシーに乗せるタクシー会社からすれば、相手が(余程のことが無い限り)「プライバシーを守る対象」であることは言うまでもありません。

そのタクシー会社が、上記のような「相手のプライバシーを侵害してでも、自分たちの考える公共性、公益性の為にスクープを狙っている」という報道機関に対して、タクシー会社として犯罪に巻き込まれた等の当事者でも無いにも関わらず易々と映像を報道機関に渡してしまったという部分が、「問題の本質であり全てである」ということかも知れないと、そのように改めて思いました。