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kazu-tの色々と思ったこと

1971年生まれの既婚の男でフリーランスです。色々と思ったことを記します。

【仕事】 「そこから抜け出せばラクになれる」は本当か?

はじめに

ここでは誰か特定の方(著名人など)の言説を論評したい訳ではありません。文中に出てくる言説は誰々の発言ということではなく「よくある言説」という風に受け取って頂ければと思います。

「その人の能力により結果が異なる」のは極めて当たり前の話

仕事で行き詰ったりしている際に、ウジウジと何かを考えたりストレスを溜めたりしながら働き続けるくらいなら、スパッと辞めて新しい世界に飛び込んだほうが絶対に未来は明るい、というような言説を聞くことがあります。

しかしそのような意見を言っている方の学歴や経歴(職歴など)を見てみると、大抵は「凄い経歴」である訳です。

例えば学歴一つ取っても、入るのが難しい有名な高校や大学に行っている方というのは、そんなところには絶対に行けない「フツーの人」よりも、思春期において圧倒的に多く深くの勉強をされています。

ガリ勉的に勉強していたか、それとも勉強以外の生活も充実しながら勉強もしていたか等は特に関係が無く、どのような生活形態であってもその中で「難しい勉強の量=難しいことを考え続けた時間」は圧倒的に多いハズだ、というような意味です。

そのようなものがベースにある方というのは、それが無い「フツーの庶民」よりも、もちろん個人差等もありますが平均的に言えば「仕事(特にホワイトカラーの仕事)を処理する能力」は高いように思われます。

そしてそのような能力が高い人が「行き詰って立ち止まるくらいなら、リセットして次に行ったほうが未来は明るいハズだし、実際に自分はそうだった」と言っていたとしても、それはその方のような能力のある方の話なのであって、ベースとなる能力は全く異なる(少ない)のにその部分だけ「マネ」したって未来が明るいとは限らない、というのは自明の理であるように感じています。

以上は敢えて「学歴的な能力」に限定した内容としましたが、それだけに限った話ではなく色んな能力の大小もしくは特色は「人それぞれ」である訳なので、誰か他の人が何かをやって上手く行ったとしても、ベースとなる部分の能力の大小もしくは特色が全く異なる人がそれをマネたところで、上手く行くとは限らないのだろうと思っています。

「現状維持」か「リセットして次か」は比較の問題

とにかく「現状維持」を否定し「リセットして次へ行くこと」のほうが善であるというような言説というのは現代では非常に多いというのが私の印象です。

確かに過度のストレスや過労等で心身を壊してしまうような状況ならば、それは何を差し置いても「まずは辞めるべき」なのだと思います。

しかしそうではなく、心身を壊すような状況は全く無いが、人間関係とか出世の具合とか給料のこととか、色んな部分で「不満」を抱いてしまい、そのことをウジウジと考えてしまうということは誰にだって普通にある訳で、そこで「そんなことウジウジ考えているくらいなら、辞めてしまって新しい世界へ行こう!」なんて行ってしまっても、それで未来が明るくなる人だってもちろん居るでしょうが、逆に「余計に辛い人生となる」人だって少なからず居る訳で、それは上で述べたような能力の問題もありますし、そもそも現状に抱いている「不満」の度合いがどの程度のものかによっても大きく異なる話であるように思います。

「次に踏み出す」ことが時には必要であることは言うまでも無いことですが、そういう判断をする際には、著名人の意見や友人知人のアドバイスを参考にすることはもちろん良いことだと思いますが、それで何か悪い結果を迎えても彼らが何か責任を取ってくれることは一切無い訳で、極めて当たり前の話ですが自分の人生の全ての「結果責任」は自分で取るということを考えれば、時には立ち止まって慎重に考えることもまた大切なことなのだろうと思います。

おわりに

私自身、普通のサラリーマンは十年ほどしかやっておらず、その後に小さな個人事務所に勤務していた時期が五年ほどあって、それから現在まで十年近くはフリーランスでやっていますので、細かいことは深く考えずに自分が辿ってきた軌跡のみを単純に良しとして考えれば「サラリーマンにしがみついていたって仕方ない」みたいな意見になるのかも知れません。

しかしながら、例えば自分自身がサラリーマン時代(独身時代のいわゆる修行の身の時代)に、徹夜や休日出勤なども伴いながら周囲の人と比べてどれだけ多くの仕事をして、そのことにより実績が残ったり、また自分の自信にもなったりしながら、そのようなもの(技術力)を背景にして「独り立ちしても食っていける」という心情に至ったのだろうと思われることや、またその技術力が身に付いたこととはトレードオフの関係としてその時代の最後のほうで「過労が原因としか言い様が無い」という感じの体調の崩し方をしたという点も併せて考えれば、やっぱり安直に独立を勧めるような意見を言うには至らないのだろうと思います。

かと言って「やっぱりサラリーマンのほうが良い」と言いたい訳でもありませんし、現に私自身はいつも書いています通り仕事に関する今までの自分の軌跡には全く後悔がありませんし現在のフリーランス生活も非常に心地よく感じています。

ただただ、どちらのほうが良いとは安直に言えませんし、また今から何か大きな決断をされる方は、私も含めた「他人」の言説に流されることなく参考意見として聞いたとしても、自分の人生の全ての「結果責任」を取るのは自分である訳なので、その身として思慮深く考え決断、行動されるのが良いのではないかと思いますし、また私自身も今後の人生においてまだまだ「大きな決断」をすることはあるでしょうから、そういう部分には気を付けたいなと我ながら思う次第です。